ちびへ

ちび、久しぶりだね。元気にしてるかな?ちびっていう名前はお父さんが付けたんだよ。ほんとは違う名前をお姉ちゃんが付けてたんだけど、全然馴染まなくて、ちびって呼んだらちびが振り向いたんだよ。
私が小さい時はずーーっと膝の上のちびを撫でるのが大好きだったよ。幸せだったね。夕方に兄弟とちびの散歩に出かけるのも好きだった。
花火の日に、花火の音にびっくりしてちびが脱走したの覚えてるかな?
あの時は家族みんなちびのこと心配して探し回ったんだよ。もうちびに会えなくなったらどうしよう…って悲しくなったのを私も覚えてるよ。
大きくなってからは私も下宿したりしてなかなか会えなかったね。お盆に実家に帰った時に散歩に行かなかったこと、すごくすごく後悔してるよ。お母さんから電話でちびが亡くなったことを聞いて、お風呂で大泣きしたよ。せめてあの時お散歩に行ったら良かったって。ごめんね、ちび。
ちびはうちに来て幸せだったのかなぁ。大きくなってからもっと大切に関わってあげたら良かった。今でも街でシーズー犬を見掛けると、勝手にちびだ!って思って心の中で話しかけてるんだよ。不思議なもので、こんな時間が経ってるのに、ちびの声や鼻の濡れたところの感触や、匂いは忘れてないよ。
いつも見守ってくれてありがとう。

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