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亡くなった大切な方に会いたい

一昨年の秋に、大切な方を亡くしました。
親族ではないけれど、娘のように接してくださった元上司。
ある日会社帰りに駅の階段から落ちてクモ膜下脳挫傷となり、その日のうちに亡くなってしまわれました。
とにかくお会いしたくて、その時から今も考えていることは、亡くなった上司はどこに行かれたのか、私が死んだ時は会えるのか、来世なるものがあるなら、また会えるのかということです。
その答えがありそうな本を読んでみたのですが納得できる事はなく、著者も死後を知らないので仕方ないと諦めていました。
あと、テレビで見たのか忘れてしまいましたが、仏教の考え方では、人は約50年で生まれ変わると聞いたのですが、(間違っていたらすみません)だとしたら、私が死ぬよりも先に上司が生まれ変わってしまえば、あの世で上司にはもう会えないのでしょうか。
死後の魂はどこに行くのか、あの世の仕組みはどんなものなのかを、仏教の考え方、お坊さん個人の考え方を聞かせていただきたいです。

お坊さんからの回答  1

純粋な祈りは時空も超えるのです

初めまして、今日は。
私は、30代に妻、その後にご縁があった方、祖母、そして追うように父を亡くし看取りました。
命は亡くなったら終わりではありません。生前に愛した人の中に魂はスッと入って・・共に寄り添って、思い切り泣いて想い出に共感をして命の時間を過ごします。そして、お互いがもう大丈夫・・そう思った時に、それぞれの新たなストーリーを描き出し歩み出すのです。それが四十九日だと私は思っています。
何百年と続くご先祖様からの繋がりと、さらに父母の願いや想いがこの身体にはこめられている証でもあります。
純粋な祈りは、ご先祖さまや愛した人、大切な人に必ず届きます。祈った瞬間、側にスッと現れて・・その姿に微笑んで応えてくれるのです。生まれ変わりとは、私たちが人生がそれぞれ長さが違うのと一緒です。生まれて来る母とご本人のタイミングが合わなければ・・リスタートになるのです。それだけ、奇跡に近い出来事なのです。
亡くなった瞬間・・しがらみや苦しみ、辛さ・・全てから解き放たれて、本来の姿を取り戻すのです。
一番の御供養とは・・笑顔で日々を過ごす事です。彼岸(あの世)にいる方は、残された私たちが、下を向いて泣いている姿を見るのを望んではいません。笑顔で過ごす事こそ、ご供養に繋がります。そして・・命の時間を過ごしたら、未練なく空高く送って上げて下さい。想い続ける事は大切で良いのですが、未練という鎖でつないだままだと、空高く舞う事や新たなストーリーを歩めません。
私たちは、目に見える出来事は信じられますが・・目には見えない法則があります。
大切な上司さまも、新たなストーリーを歩み始めようとしています。あなたの想いや祈りはしっかりと届いています。私たちもいつかは、此岸(この世)から彼岸(あの世)に渡ります。その時に会えなくても・・来世で、また繋がり合えるのです。今、こうしている間でのご縁は過去から繋がり合っているのです。家族であったり、夫婦であったり、友人であったり。その繋がりあるご縁を大切にされて、過去でもない、未来でもない、二度とないこの瞬間をあなたらしく人生と言う長い冒険旅行を仕合せに歩めますように、心からお祈り致しております。
上司さまに心から・・南無大師遍照金剛
合掌 礼拝