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先立った夫に逢いたい

突然死した夫に会いたい気持ちが募るばかりです何をしていても集中できず、自分の気持ちをごまかしているような気がします
なんで主人は死んでしまったのだろう
なんで私がこんな寂しい思いをしなければいけないのだろう
何か私が悪いことをした報いなのですか
孤独で寂しくて辛いです
何か習い事する?仕事する?ペットを飼う?
一日でも涙しない日が来ますように

お坊さんからの回答  2

ご主人はあなたに何を望んでおられるのでしょうか。

突然死で旦那さんを亡くされ、毎日お辛い日々を送っていること、心中お察し申し上げます。
「なんで主人は死んでしまったのだろう」「なんで私がこんな寂しい思いをしなければいけないのだろう」という思いは、このような経験をされた方なら、誰しもが抱く思いでしょう。しかし、このような問いに対する答えは、ないのかもしれません。それはこのような出来事は、どのような理由をつけても、認めたくない出来事だからです。ですから、いくら考えても答えが出ない問いを、いくら考えても辛さが増すばかりで、最後は心身ともに疲れ果ててしまいます。
ですから、私はそのような理由付けを探すのではなく、「亡き夫は、今こうして残された私がどう生きることを望んでいるのだろうか。」という問いかけをしていくことをお勧めします。その問いの答えの一つとして、仏さまの教えに出会う生き方があると思っています。あなたが今までどの程度、仏さまの教えに触れてきたかはわかりませんが、まったく触れてこなかったのであれば、ご主人の死が仏さまの教えに触れるご縁になっていくのです。また、今までも仏さまの教えに触れてきたとしても、今まで以上に教えに触れるご縁を、ご主人はあなたに与えてくださったのです。それ以外にも、ご主人があなたに望むことはあるでしょう。それをご主人に問いかけながら、見つけ出していってほしいと思います。
最後に、私の好きは詩を紹介します。このハスノハでも何度となく私が紹介している中西智海和上の詩です。
『人は去っても その人のほほえみは 去らない
 人は去っても その人のことばは 去らない
 人は去っても その人のぬくもりは 去らない
 人は去っても 拝む掌(て)の中に 帰ってくる』
ご主人のほほえみ、ことば、そしてぬくもりは、いつまでも、あなたの記憶の中にあり続けます。そして、手を合わせることで、ご主人はあなたの心の中に帰ってこられるのです。ご主人はあなたに、この世の無常や命の大切さなど、様々なことを、自身の死を通して教えてくださっています。ご主人の死からあなた自身が学ぶことがあれば、それはご主人の死を無駄にしないことへと繋がっていくことでしょう。そうして、ご主人の死を通して教えて頂いたことを大切にしていくならば、それはご主人に会える道へと繋がっていることだと思います。