旅立ちの日、私のこと分かってましたか?

勤務先に連れてこられた1匹の仔猫。それがあなたとの出会いでした。

ケージに入れられて、毎日過ごしていたね。
遊びたい盛りの仔猫なのに、遊び相手もいなくて、私以外にあなたの相手をする人もいなかったね。
そんなあなたを見て、いつまでもこんな生活はさせられないと、ずっと思ってた。

その時私は、シニア猫と暮らしていたので、あなたを家族として迎えることを少し躊躇してた。
一緒に生活できるか、勤務先からあなたを家に連れて帰り、少しずつ一緒にいる時間を長くしていって、あなたと先住猫との様子を見て、一緒に暮らすことが出来ると確信したから、
あなたを家族として迎え入れ、Kyle(カイル)という名前を付けた。

1人と2匹の幸せな時間を過ごすことが出来て、毎日がとても楽しかった。仕事の疲れや人間関係のモヤモヤを解消してくれてたんだよね。
先住猫が旅立った時は、心の支えとなってくれて、本当にありがとう。
重度のペットロスにならなくて済んだよ。
あなたが旅立った時は、誰もいなくて、凄く寂しかった。

先住猫の好んでいた場所に、少しずつあなたの姿を見るようになって、
今までよりも甘えるようになって、ずっと色んな事を我慢してたんだね。

前のコが20年一緒に暮らしてくれたから、あなたとの生活も20年か、それ以上続くと思ってた。
16歳になって、少しずつ行動に変化が出てきたけど、最初は、年齢のせいかなって軽く考えてた。
すぐに、年齢のせいでは無いと思い、近所の病院で出来る検査をして貰ったけど、そこでの検査は、異常が見られなかった。

トイレの場所が分からなくなり、排尿の感覚がなくなり、
食器の場所が分からなくなり、ドライフードが食べ物だと分からなくなり、狭い隙間に入り込んだらでれなくなり・・・
少しずつ出来ないことが増えて、分からないことが増えていった。

毎日、食事をさせて、排尿をさせて、そんな生活が半年以上続いた。
あなたを中心に、時間を過ごしてた。でも、全然苦では無かったよ。

痙攣を起こしたので、大きな病院で検査をして貰おうと思ってた矢先、
最後の日が来てしまった。
痙攣を起こしたあなたを抱いて、あなたの苦しそうな様子を見て、
もう頑張らなくて良いよって声をかけた。

その日は一緒に寝て、次の日、箱に入ったあなたとドライブをして、
帰る時は小さな壺に入ってて、家へ帰ろうねと声をかけて、最後のドライブをした。

先住猫とは会えたかな?
今は、自分でご飯食べれてるかな?
走り回って遊んでますか?

私の所に来てくれてありがとう。
一緒にいてくれてありがとう。

犬や猫に囲まれて育ち、生き物関連の仕事に就きました。
現在もペットのための仕事をしています。

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