八朔へ
はじめは怖くて触れなくてごめんね。
ある夜私が寝ている間に脱走して、
触らざるを得なかったことがあったね。
その日以来やっと八朔に触れることができたね。
八朔は頭もよくて、
普段の餌よりバナナやかぼちゃのおやつが大好きで
普段の餌食べてくれなくて悲しかったけど
私が仕事で失敗して泣きながら話しかけたら
普段の餌食べてくれたことがあったよね。
偶然かもしれないけど偶然とは思えなかったよ。
いつも話聞いてくれて本当にありがとう。
八朔がいたから、私は一人でも仕事がんばれたし
一人だと思っていなかったよ。
どうしても外せない仕事があって
実家に八朔を預けたまま仕事にいったけど、
その日の夜に亡くなったと親から電話もらいました。
仕事終わりでした。
その後接待の飲み会があったけど、
断って八朔に会いにいこうと思っていました。
でも、それを何度言っても親に怒られました。
私の親は八朔のこと私が誰よりも可愛がっていたこと
良く知っていたから、きっと死に立ち会わせたくなったのだと思います。
それでも、八朔。
その日、反対を押し切って会いにいけなくてごめんなさい。
お墓になった姿でしかお礼言えなくてごめんなさい。
本当に八朔が居てくれて幸せでした。
遅くなったけれど、ありがとう。
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