おじいちゃんへ
おじいちゃん、貴方に叔母の死を知らせずに亡くならせてしまいごめんなさい。貴方が亡くなった時、本当によぎったのはそれ。周りに叔母の死を伝えないでと、娘の死を知ったらすぐおばあちゃん、つまり娘の母に話してしまうからと、口封じされていました。なんてひどい親族なんでしょう。貴方が行った先に娘がいたら、たいそうびっくりして怒ったんでしょう。私はおじいちゃんに墓前で謝罪したのを覚えていますか?そのあと叔母の墓に行って同じように謝罪しました。謝罪したのって、ねぇ、わたしだけ?貴方が作ってくれた貴方の土地に、貴方ね息子、つまりわたしの父は家を建てましたね。古くなったからって、兄がリフォームしたけど、貴方の庭をつぶしたでしょ?跡形もなく。私、ちゃんと両親に怒りましたよ。ファザコンな私でも、父に怒りましたよ。「貴方の父親の気持ちを考えなさい。形見でもいいから、何か残すとかできなかった?私がもらったのに、欲しかった」って。少し父が凹んでいた気がします。それくらい、私は祖父も父も大好きだからです。焼き芋を焼いてくれて、豆ぶえ教えてくれて、鍵っ子な私をずっと見てくれた、寂しい時ずっとそばにいてくれた。ありがとう、大好きでした。貴方の息子を、私は最後の時まで大切にします。貴方のおかげで今の私は蓄積され、生きていますから。
このノートを空へ