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お仏壇とのむきあいかた

5月は 息子の命日があります。
27年前 7カ月の早産で生まれてしまったため、わずか1日で天国に行ってしまいました。
突然の腹痛と出血で、赤ちゃんが出てこないような手術を受け、絶対安静の寝たきりで点滴を打ち続けて痛みに耐えること2週間。
このままでは、母子ともに危ないと出産になりましたが、あまりに小さく、1日生きるのが精一杯だったようです。
何がいけなかったのか、何とかして助けてあげることは出来なかったのか…
毎日毎日 お仏壇の前で 泣いて泣いて…
自分を責め続ける日々が続きました。
今でも 昨日のことのように思い出すので
お仏壇にむきあうと涙が出て、つらくて
たまりません。
普段の生活をしているときは、何事もなかったように、笑ったり楽しく過ごせていますが、それでいいのか…と ふと考えていることもあります。
もちろん 息子は 私が泣き続けることは望んでいないと思いますが、悲しくなるからと お仏壇とむきあう時間が少なくなることは、いけないことでしょうか。
お花は 欠かしたことは ありません。
誕生日には お花やお菓子やジュースなど 多目にお供えしています。
お仏壇にむきあう心構え、今の私の気持ちが
少しでもいいからラクになる考えかたなど教えていただけたら嬉しいです。

お坊さんからの回答  1

亡き子に、語りかけてあげる。

亡くなられて何年たっても、我が子を亡くした悲しみが消えることは無いかもしれません。
 母親の胎内に命が宿し、この世に生を受けた新たな命。親としても「生まれてくれて、ありがとう。元気に育ってほしい。」と思ったことでしょう。生まれた本人も、本能的に「健康で長生きしたい。」という願望を有していたと思います。それぞれの願いがかなわず、あまりにも短い人生となてしまったことは、本当に悲しいことですね。
 仏壇への向き合い方について、私の考えを述べさせていただきます。
1、亡き子に感謝する。「我々の命を受け継いで、この世に生まれてくれてありがとう。」と仏壇に語り掛けてあげましょう。両親の感謝の言葉があれば、短い人生だったけどこの世に生まれてきた意味があります。
2、「あなたのことを忘れないよ。」と語りかけてあげましょう。
3、「あなたを失って、命の大切さをより深くわかったよ。」と語り掛けてあげましょう。
4、「あなたの分、私もお父さんも妹も頑張って生きるからね。」と語りかけてあげましょう。毎日は無理でしょうけど、休みの日には家族みんなであげましょう。
平安時代の女流歌人和泉式部の逸話があります。(娘が若くして亡くなったのは史実ですが、この短歌の話は後世の創作であるという説もあります。)
「和泉式部の娘小式部内侍は結婚して子を産んだが、産後に体調を崩し25歳で亡くなりました。和泉式部は我が子を失った悲しみを短歌に表していました。やがて、佛のみ教えに出会い、心境が変わり、次のような歌を詠んだそうです。。
 「仮にきて 親にはかなき 世を知れと 教えて帰る 子は菩薩なり」
亡くなった我が子は仮に私を母親としてこの世に生まれて来た。その子が「お母さん、なげき悲しむのは愚かな事ですよ。「この世は諸行無常である」という佛のみ教えを頼りとして生きるのですよと、教えてくれた。亡くなった我が子が菩薩となって自分を仏の教えに導いてくれた。という意味です。
 仏壇が悲しみの対象となったり、悲しい思い出の象徴となるのは、やむを得ないですよ。でも、仏壇が命を尊さを学び、命に感謝する場であることも忘れないでください。