本当にごめんね
ばーちゃん、ごめん。
病院でもうできる治療がなくて、看取り介護で家に連れて帰るって迎えに行った時、痩せ細ったばーちゃんがこのまま火葬場へ連れて行ってくれと叫んでた。
痛み、苦しみをわかってあげられなくてごめん。
24時間の自宅介護、頑張ってお世話したけど、助けてあげられなくてごめん。
辛くて、ずっと唸ってる声がまだ聞こえてくるようだよ。
いつもあんなに優しくしてくれたのに、なんでもっと元気な時に色々できなかったんだろう、本当にごめん。
介護をしながら、これは大変だと思ってしまったよ。
夜中構わず叫んだり唸ったりするばーちゃんをみて、これからどうしようかと思ってしまった。
情けないよね。
薄情だよね、あんなに一生懸命に育ててくれたのに、私はなんて嫌なやつなんだろうね。
本当に嫌な奴だと思う。
オムツ替え、うまく出来なくてごめん。
私が大変そうだったから?いつも大丈夫って言ってた。
でも本当はしてたのに気持ち悪かったよね、してないって言っても替えてあげればよかった。
ご飯、お粥食べてくれてありがとう。
最後の方は飲み込む力もなくて、本当に辛かったね。
お口の中もしっかり掃除してたつもりだったのに、飲み込めなくなったからは、口の中に薬が残ってたのか汚れがついてしまってた。ごめんね。
タンを取るのも、下手くそだったね。
チューブを奥まで入れるのが怖くて。何度も取り直した。ごめんね。
酸素マスクの異常を知らせるアラームが、ずっと耳に残ってる。
いつも苦しいって言ってた。
なのに少し寝た方がいいって、目をつぶるように言ったけど、あんな酸素マスクしたまま寝れるわけない。
ばーちゃんが死んだ後、酸素マスクつけてみた。涙が出たよ、寝れるわけないのに寝ろって言ってごめんね。
私ね、なーんもわかってなかった。
ばーちゃんの辛さとか寂しさとか、わかってるつもりでいたけど、全然わかってなかった。
こんな孫でごめんね。
ひ孫がね、ばーちゃんを指差すの。
まだ喋れないのに、ひいばあは?っていうと写真を指差すの。
もう少し待っててくれたら、もっともっと可愛い姿見せられるのに、なんで行ってしまったの。
最後も、マッサージしながら「大丈夫?」って聞いたら「うん」ってうなずいたじゃん。
なんで大丈夫なんてうなずいたの、大丈夫じゃないのに。
大丈夫じゃないのに気づいてあげれなくてごめんね。
本当にごめんね。
ばーちゃん、全部ぜんぶごめんね。
何にもしてあげられなくてごめんね。
どうやって生きて行ったらいいのかな。
どこに行ってもばーちゃんとの思い出ばかりで辛い。
いなくなったのが嘘のようで、受け止められない。
ごめんね、ばーちゃん。