我が家の癒し
貴方が初めてこの家に来たのは、今から8年前の緑が鮮やかになり始める初夏の頃でしたね。
部活の試合から帰ると、見慣れないケージの中から灰色のふわふわした物体が現れたときの驚きは、今でも鮮明に覚えています。
弟が飼いたがっていたうさぎが、知らせもなく突然やってきたことにびっくりしました。
それからは、貴方のことを第一に考えて行動する生活が始まりました。テレビの音を小さくしたり、ケージのある部屋から遠い部屋でドライヤーを使ったりなど、最初はどんなに気を使っても逃げられてばっかりで触ることも難しかったです。でも、日が経つにつれ少しずつ仲良くなりました。距離を縮めてくれた。手ずから餌を食べてくれた。背中を撫でさせてくれた。ちょっとずつ貴方と関われるのが増えていくことがとても嬉しかったです。
いつのまにか貴方は我が家のアイドル的存在になりました。背中を撫でると私の指を舐めて毛繕いしてくれる。にんじんよりりんごが好きでよく食べる姿。私が仰向けに寝転んでいるとお腹の上に乗ってきて眠りだす姿。かわいい仕草で、私たちの生活を彩り、癒しを与えてくれました。
貴方が亡くなったことを受け入れてようやく心の整理をすることができました。とても寂しいですが、今でも貴方は私たちを癒してくれています。グレーの毛並みのうさぎグッズを集めたり、写真を見返したりすると、日常の嫌なことも大変なことも些細なこととして片付けることができるのです。
我が家に来てくれて本当にありがとう。
貴方が天国に行ってしまっても、これからもずっと貴方は我が家のアイドルです。
このノートを空へ