25歳になりました

おばあちゃん、亡くなって何年たつのでしょうか。
私は25歳になりました。
いまは都会で働いています。

あなたはとてもいじめっこで、思い込みも強くて、周りを振り回す人で、周りから「良い人」と言われる人ではなかったですが、誰よりもリーダーシップがあって、向上心が強く、パワフルな人でした。
あなたが心配していたように、私は相変わらず自分に甘くて、優柔不断な人間のままです。
約束の時間に遅れたり、休みの日は予定していたことをなにもせず布団の中にいて、今日も仕事で、自分が業務を後回しにし続けた結果上司からあきれてものも言えないと言われました。

数年後には、お父さんの会社を継ごうと思っていますが、こんなに心の弱い自分が責任ある立場になってしまって大丈夫か、本当に不安です。
会社を継ぐという事は、今ある組織に自分が異物として飛び込み、そこで信頼を得て、社員の生活の責任を負うという事です。
口では、父の跡を継いで、10年後も通用するようなビジネスを考えたい、とか周りに抜かしていますが、なんの発想力もなく、かといって血のにじむ努力をして勉強するでもない私が、そのようなことできるでしょうか。
社員を路頭に迷わせたり、無能な社長の烙印を押されたりしないでしょうか。喫緊の課題も、将来の課題も、なにもかも後回しにしてしまっている自分が本当に嫌いです。
おばあちゃんやおじいちゃんは本当にすごい人だったから、大人になってこそ聞きたいことがたくさんあります。どうやって人生を闘ってきたのでしょうか。
どうしたって自分が変わらない限り不安はなくならないけれど、どうしたらおばあちゃんの声が聞こえるのでしょうか。
コロナでお墓・お仏壇参りもできませんが、見守っていてほしい。
こんなごみのような人間だけれど、おばあちゃん、おじいちゃん、両親が誇れる人間になりたいのです。

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