おばあちゃん

おばあちゃん、ごめんなさい。
おばあちゃん、会いに行こうと思って会いに行かなくてごめんなさい。
体調が悪くなった、入院した、退院したと聞いて、おばあちゃんは長生きの家系だから何だかんだ大丈夫と思っていました。コロナも流行して、東京に住んでいる私は田舎に帰ることができなかった。でもこれって言い訳だったなって自分を責めてます。コロナが流行する前に普通に会いに行けたあの時に田舎に帰っていればまた違ったのかな。
両親が共働きだったから、小さい頃からおばあちゃんは私の幼稚園や習い事の送り迎えをしてくれましたね。習い事に行く前に必ず握ってくれた塩たっぷりのおにぎりは懐かしいな。熱を出した時も母親に代わり連れて行ってくれた病院で毎回買ってくれたオロナミンC。一緒にかくれんぼをしたり鬼ごっこをしたり。おばあちゃんの家は広い庭があって絶好の遊び場だったな。今思い出が蘇ります。でも私の中でおばあちゃんとの記憶は小学生で終わっています。私が東京に引っ越し、部活動を始めてからお盆休みも正月も帰らなくなってしまったからだよね。そうして高校、大学を卒業して気が付けば私は社会人になっていました。おばあちゃんからたくさんの愛情をもらって育ったのに、私はおばあちゃんに何も恩返しをすることができなかった。むしろ会いたがっていたのに仕事が忙しいからと理由をつけて結局会いに行かなかった。何年も顔を合わせていなかったから、気恥ずかしさがあった。そんな理由で本当に酷いことをしてしまった。ごめんなさい。

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